特集 細胞診―21世紀への展望
第2章 検診・外来診療における細胞診の役割
3.乳癌検診
馬場 紀行
1
Noriyuki BABA
1
1東京共済病院乳腺外科
pp.1217-1221
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904537
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
現在乳癌検診は老人健診の一環として行われているが,いまだに視触診が中心であり,乳房の診察に手慣れた医師が検診を担当しているとは限らず,精度上問題があるといわれて久しい.最近になってようやくマンモグラフィーなどの画像診断を併用して,視触診による不備をカバーしようという動きが本格化してきた.細胞診は乳癌検診においては,婦人科検診のように一次検診の場で多用されることはない.視触診で腫瘤を触知するか,乳頭分泌が認められる患者に対して,二次検査(精密検査)の一項目として施行されるのが一般的である.本稿を執筆するに当たって乳腺診療に携わる専門医としてこれからの乳癌検診のありかたと,細胞診の役割について私見を述べたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.