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特集 癌検診のメリット・デメリット
各種の癌検診の問題点
乳癌検診―視触診による乳癌検診の問題点
Breast Cancer Screening:Critical evaluation on mass screening using physieal examination
佐野 宗明
1
1新潟県立がんセンター外科
pp.408-410
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901500
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■乳癌はいつも硬い腫瘤とは限らない
患者 64歳,女性.
乳癌検診で左乳房内側下方領域に異常を指摘され,精検のため当科を受診した.乳房は加齢とともに脂肪化変性を起こし,脂肪の量が多い臓器であるが脂肪腫は少ない.しかし,本症例の触診診断は5.5cmの境界明瞭な弾性軟の脂肪腫であった.もちろんdimplingなど皮膚変化を伴っていない.マンモグラフィー(MMG)は年齢の割に乳腺が多かったが異常陰影はなかった.超音波検査(US)で9mmの腫瘤陰影を認めたため,細胞診はClassIIであったが切除生検を施行した.
境界は触診ほど明らかではなく,切除標本の脂肪塊の中に9mmのUSに一致する腫瘤を認め,病理組織診の結果,硬癌であつた.
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