今月の主題 in situ hybridization
症例
in situ hybridizationを使用したEpstein-Barrウイルスの検出―CD4陽性T細胞にEBウイルス感染を認めた慢性活動性EBウイルス感染症の1例
大石 勉
1
,
鍵本 聖一
2
,
池崎 綾子
2
,
岡崎 実
2
,
藤井 紀行
3
,
山本 英明
3
,
荒井 孝
3
Tsutomu OISHI
1
,
Seiichi KAGIMOTO
2
,
Ayako IKEZAKI
2
,
Minoru OKAZAKI
2
,
Noriyuki FUJII
3
,
Hideaki YAMAMOTO
3
,
Takashi ARAI
3
1埼玉県立小児医療センター内科部第2
2埼玉県立小児医療センター内科部第1
3埼玉県立小児医療センター放射線部
キーワード:
in situ hybridization
,
EBウイルス
,
慢性活動性EBウイルス感染症
Keyword:
in situ hybridization
,
EBウイルス
,
慢性活動性EBウイルス感染症
pp.1027-1032
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903839
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1.はじめに
Epstein-Barr (EB)ウイルスはヒトのB細胞に感染して伝染性単核症を惹起するとともに,B細胞性腫瘍であるBurkittリンパ腫や上咽頭癌ではその腫瘍化に強く関与している.近年,in situhybridization (ISH)法が開発され組織中にEBウイルスを検出することが可能となった.これにより,ホジキン病,胃癌(7%),臓器移植後や免疫不全状態に合併する平滑筋肉腫,リンパ腫様肉芽腫症,炎症性偽腫瘍(inflammatory pseudotumor)でもEBウイルスの関与が明らかになった.さらにEBウイルスレセプター(CD 21)を持つB細胞だけではなく,T細胞やNK細胞にも侵入して慢性活動性EBウイルス感染症や悪性リンパ腫,LGL増多症(large granular lymphocytelymphocytosis),白血病を引き起こすことが報告されてきている1).
CD 4陽性T細胞へのEBウイルス感染を証明した慢性活動性EBウイルス感染症の1例を紹介して,ISH法の臨床検査あるいは臨床研究における有用性の一部を例示する.
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