特集 全身疾患と口腔咽頭病変
感染症
EBウイルス感染症
永野 広海
1
Hiromi Nagano
1
1鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
EBウイルス
,
伝染性単核球症
,
伝染性単核球症様症候群
,
慢性活動性EBウイルス感染症
Keyword:
EBウイルス
,
伝染性単核球症
,
伝染性単核球症様症候群
,
慢性活動性EBウイルス感染症
pp.684-688
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000634
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はじめに
Epstein-Barr virus(EBウイルス)はヘルペスウイルス科に属する2本鎖DNAウイルスで,学名はヒトヘルペスウイルス4型(Human herpesvirus 4:HHV-4)である。伝染性単核球症(infections mononucleosis:IM)の原因ウイルスであり,成人までにほぼ100%の人が唾液や性分泌液を介して感染する。悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫,バーキットリンパ腫,NK/T細胞リンパ腫),上咽頭癌,胃癌などの悪性腫瘍発症の一因となる。IM様症状を繰り返す慢性活動性EBウイルス感染症(chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)は,以前は慢性感染症の一種と考えられていたが,2016年のWHO新分類でリンパ増殖性疾患に分類された1)。
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