特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅱ.免疫
4.神経疾患と自己抗体
5)多発性硬化症
中島 一郎
1
,
藤原 一男
1
,
糸山 泰人
1
Ichiro NAKASHIMA
1
,
Kazuo FUJIHARA
1
,
Yasuto ITOYAMA
1
1東北大学医学部神経内科
pp.1353-1355
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903495
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はじめに
多発性硬化症(MS)は原因不明の中枢神経の脱髄疾患であり,病理所見は中枢神経白質の血管周囲の細胞浸潤と,それに引き続いて起こる髄鞘破壊である.その発症機序に免疫学的機序が関与していることはほぼ確実であり,古くから自己抗体とのかかわりが検討されている.特に自己免疫の機序として,膠原病との関連は古くから検討されており,MS類似の中枢神経症状を呈する膠原病も多く,抗核抗体を中心とした膠原病関連の自己抗体の出現頻度に関する報告は多い.今回はMSに出現しうる自己抗体を取り上げ,病態との関連について考察する.また,MS類似の中枢神経症状を呈する膠原病についても幾つかの報告をまとめた.
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