特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅱ.免疫
4.神経疾患と自己抗体
1)膠原病による神経障害
中島 一郎
1
,
藤原 一男
1
,
糸山 泰人
1
Ichiro NAKASHIMA
1
,
Kazuo FUJIHARA
1
,
Yasuto ITOYAMA
1
1東北大学医学部神経内科
pp.1335-1337
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903490
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はじめに
膠原病という概念は1942年にKlempererらによってとなえられ,全身性エリテマトーデス(SLE)と強皮症の病理組織学的検討に基づいて,共通した病理組織像を持つ他の4つの疾患を加え,次の6疾患が挙げられた.すなわち,①慢性関節リウマチ,②全身性エリテマトーデス,③全身性進行性硬化症または強皮症,④多発性筋炎および皮膚筋炎,⑤結節性多動脈炎または結節性動脈周囲炎,⑥リウマチ熱,である.膠原病は病理学的には結合織疾患という概念に相当するが,病因論からは代表的な自己免疫疾患と考えられている.また,多くの神経合併症を有し,他の免疫性神経疾患との鑑別が困難となる場合もある.今回は各膠原病における精神・神経症状をまとめ,特に自己抗体どのかかわりを述べる.
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