特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第7章 神経・筋
多発性硬化症
中村 正史
1
,
中島 一郎
1
1東北医科薬科大学医学部老年神経内科学
pp.842-843
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_842
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多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は,中枢神経内に炎症性脱髄病変が時間的および空間的に多発する疾患である.自己免疫による炎症によって脱髄が惹起されると考えられているが,詳細な病態はいまだ不明である.20~30歳代の若年成人,とくに女性に多く発症し,わが国での有病率は人口10万人当たり10.8~18.6人と推測されている1,2).近年,わが国ではMSの有病率が上昇しており,MSを早期に診断し,その病型や重症度を把握することは治療方針を決めるうえで重要である.
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