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ミトコンドリア遺伝子異常とslowly progressive IDDMc
小林 哲郎
1
1虎の門病院内分泌代謝科
キーワード:
ミトコンドリア遺伝子異常
,
IDDM
,
MELAS
Keyword:
ミトコンドリア遺伝子異常
,
IDDM
,
MELAS
pp.1329-1330
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902281
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ミトコンドリアは細胞内器官のうちで呼吸鎖に関係する代謝(酸化的リン酸化によるATPの産生)の場としてきわめて重要な役割を果たしている.ミトコンドリア遺伝子は核の遺伝子と異なった固有の約16,000塩基から成る環状の二重鎖から成り立っており,ミトコンドリア酵素のうちチトクロームcオキシダーゼをはじめとする13種のサブユニット,また22個のtRNA,さらに2個のrRNAをコードしている.最近このミトコンドリア遺伝子の3,243番塩基の点変異(A→G)と糖尿病の発症が密接に関連していることが明らかになった1~3).その遺伝様式は,他のミトコンドリア遺伝子異常と同様に母系遺伝の様式をとる.
いくつかの糖尿病の病型の中でも緩徐に進行するインスリン依存型糖尿病(slowly progressive IDDM)の症例に高頻度にこの変異を認めた(表1).一方,急性発症インスリン依存型糖尿病(IDDM),インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)での頻度は1~3%であった.
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