今月の主題 大腸疾患と検査
総説
炎症性大腸疾患と免疫異常
日比 紀文
1,4
,
岩男 泰
2
,
大原 信
3
,
渡辺 守
3
,
土屋 雅春
3
Toshifumi HIBI
1,4
,
Yasushi IWAO
2
,
Makoto OHARA
3
,
Mamoru WATANABE
3
,
Masaharu TSUCHIYA
3
1慶應がんセンター
2東京都立大塚病院内科
3慶應義塾大学医学部消化器内科
4慶應義塾大学医学部消化器内科
キーワード:
炎症性大腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
Keyword:
炎症性大腸疾患
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
pp.469-472
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901069
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免疫異常がその病態に関与する炎症性大腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病が挙げられるが,その内容は大きく異なる.大腸粘膜が選択的に侵される潰瘍性大腸炎では,T細胞系の機能異常があり,自己抗体である抗大腸抗体を介した抗体依存性細胞障害機序が関与している.一方,クローン病では組織学的に非乾酪性肉芽腫を特徴とし,単球・マクロファージ系細胞の活性化,機能異常が認められ,単球からの活性酸素産生の亢進,免疫抑制因子の産生などが病態にかかわっている.
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