Japanese
English
今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
悪性リンパ腫の遺伝子異常
Genetic alteration in malignant lymphoma
日下部 学
1
,
坂田(柳元) 麻実子
1
,
千葉 滋
1
1筑波大学医学医療系血液内科
キーワード:
世界保健機関(WHO)分類
,
次世代シーケンサー
,
疾患特異的遺伝子変異
,
染色体転座
,
蛍光in situ・ハイブリダイゼーション(FISH)法
Keyword:
世界保健機関(WHO)分類
,
次世代シーケンサー
,
疾患特異的遺伝子変異
,
染色体転座
,
蛍光in situ・ハイブリダイゼーション(FISH)法
pp.824-831
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202077
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Point
●悪性リンパ腫の分類は世界保健機関(WHO)分類(2017)に基づき行われ,疾患数は50種類を超える.病理組織学的所見,細胞表面抗原,染色体転座による鑑別に加え,遺伝子変異情報も診断のうえで重要である.
●染色体転座の検出は悪性リンパ腫を診断するうえで極めて有用である.蛍光in situ・ハイブリダイゼーション(FISH)法による染色体転座の検出は濾胞性リンパ腫(FL),マントル細胞リンパ腫(MCL),Burkittリンパ腫(BL)の診断に応用されている.
●次世代シーケンサーの登場により,悪性リンパ腫の遺伝子変異が次々と明らかとなった.シグナル伝達経路異常やエピジェネティック制御因子群の異常など,疾患に特徴的な遺伝子変異群も徐々に明らかとなっている.
●有毛細胞白血病(HCL)におけるBRAF変異,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)におけるRHOA G17V変異など,疾患特異的な遺伝子変異が報告され,将来的には補助的診断としての臨床検査への応用が期待される.
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