増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック
Ⅷ 術後・処置後
化学療法後
川本 進也
1
,
小関 紀之
2
1獨協医科大学埼玉医療センター腎臓内科
2獨協医科大学埼玉医療センター臨床検査部
pp.570-571
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201604
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病態
尿細管機能障害(腎細胞への直接作用)1)
抗癌剤やその代謝物による尿細管への直接的な障害であり,主なものにシスプラチンやイホスファミドなどが挙げられる.代表的なシスプラチンは静脈内投与後,2時間程度で血漿蛋白と結合するが,非結合シスプラチンは糸球体で濾過され近位尿細管へ移行し,尿細管壊死を引き起こす.このため,尿中シスプラチン濃度を低くするには水分負荷と利尿剤の使用が有用である.
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