増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック
Ⅷ 術後・処置後
腎移植後
川本 進也
1
1獨協医科大学埼玉医療センター腎臓内科
pp.572-573
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201605
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病態
1950年代に腎移植が開始されて以来,移植免疫反応の解明と免疫抑制薬の進歩によりその治療成績は著しく向上し,拒絶反応はコントロールできるようになってきているが,免疫抑制薬による感染症はいまだ大きな問題である.
免疫抑制薬が選択性を持つようになり,腎移植後感染症も変化している.T細胞機能を選択的に抑制するカルシニューリン阻害薬(シクロスポリン,タクロリムス)が免疫抑制薬の主体となり,細菌感染症からウイルス感染症に変化してきている.移植後ウイルス感染症は,新たに曝露されての発症より,レシピエント内に潜在していたウイルスの再活性化やドナーから持ち込まれたウイルスが免疫抑制療法により再活性化されることで発症することが多い.
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