増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
食道
化学放射線療法後のsalvage手術
金森 淳
1
,
小熊 潤也
1
,
大幸 宏幸
1
Jun KANAMORI
1
1国立がん研究センター中央病院食道外科
pp.106-108
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212672
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術前管理
食道癌の根治的化学放射線療法(dCRT)後の遺残・再発に対するsalvage手術は,日常診療の一つとなりつつある1).しかし,肺合併症などの術後合併症の発生頻度および在院死亡率は依然として高く,慎重な術前評価と周術期管理が求められる.近年,食道外科医だけでなく,看護師・薬剤師・歯科医師・理学療法士など多職種の周術期チームによる包括的な術前管理を行う施設が多くなってきている.通常の術前治療後の予定された食道切除と比較すると,salvage手術の場合,手術決定から手術日まで短期間であることが多く,患者や家族の治療意欲・理解に応じた,より綿密な介入が求められる.また,心肺への50 Gy以上の放射線照射により,心囊水や胸水の貯留を認める場合があり,術前に適宜ドレナージしておくことが重要である.
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