検査説明Q&A・10
大動脈狭窄症の重症度を心エコー図検査で評価したいと思います.各報告値が乖離していた場合,どのような評価法を考慮すべきでしょうか?
徳田 華子
1
,
村田 光繁
1,2
1慶應義塾大学医学部循環器内科
2慶應義塾大学医学部臨床検査医学
pp.1020-1023
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200475
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■大動脈弁狭窄症の重症度評価
心エコー図では,大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)の重症度を連続波ドプラ法による最高血流速度,簡易ベルヌーイ式による平均圧較差,弁口面積などによって評価する.わが国の「弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン」1)では欧米に倣って,最高血流速度4.0m/s以上,
平均圧較差40mmHg以上,弁口面積1.0cm2以下を重症ASとしている.ただし,測定した弁口面積が1.0cm2を超えている場合でも,体表面積で補正した弁口面積係数が0.6cm2/m2以下である場合は重症とする1).
最近では,左室流出路と大動脈弁部の時間速度積分値(velocity time integral:VTI)の比(VTI ratio=左室流出路のVTI/大動脈弁のVTI)が0.25以下も重症ASの指標とされている.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.