今月の主題 狭心症—日常臨床へのExpertise
狭心症の診断
心エコー図はどのような場合に有用か
渡辺 弘之
1
,
吉川 純一
1
1大阪市立大学医学部第1内科
pp.612-614
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909297
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ポイント
●心エコー図検査を胸痛を呈する症例に用いれば,胸痛を起こしうる疾患の鑑別診断を即座に行うことが可能である.
●狭心症の診断では,胸痛発作時および胸痛発作直後に用いれば,壁運動低下部位の同定による存在診断と重症度診断に有用である.
●特に,胸痛が一定時間以上持続するが心電図変化が判別不可能な場合や,心電図変化が有意でも症状がない場合などでは,壁運動の有無によって心筋虚血の有無を判定することが可能である.
●一方,発作のない安静時には狭心症に特有の所見は認めない.その場合には,運動負荷ないし薬物負荷で心筋虚血を誘発すれば,的確な診断が可能である.
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