Japanese
English
今月の主題 MDS(骨髄異形成症候群)
話題
MDSの最新治療
New therapeutic strategy for MDS
永井 正
1
Tadashi NAGAI
1
1自治医科大学内科学講座血液学部門
キーワード:
免疫抑制療法
,
免疫調節薬
,
DNAメチル化阻害薬
,
鉄過剰症
,
エリスロポエチン
Keyword:
免疫抑制療法
,
免疫調節薬
,
DNAメチル化阻害薬
,
鉄過剰症
,
エリスロポエチン
pp.1385-1389
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103259
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1.はじめに
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)は,造血幹細胞レベルで生じた異常クローンの増殖に起因する疾患である.臨床的には血液細胞の質的・量的異常を認めるとともに白血病への進展リスクを有している.したがって,MDSに対する治療は,造血機能の改善・維持や白血病進展の防止,生存期間の延長を目的としており,支持療法単独から造血幹細胞移植に至るまで様々な治療法が年齢やリスク分類に従って選択されてきた.しかしながら,いわゆる標準的治療は確立されておらず,効果が期待される薬剤も限られていた.近年,免疫調節薬(immunomodulatory drugs;IMiDs)や,DNAメチル化やヒストンアセチル化など,いわゆるepigeneticsを標的とする低分子治療薬の有効性が示され,MDSへの臨床応用が積極的に進められている.
本稿では,現在のMDSに対する治療戦略について概説し,今後の方向性についても考えてみたい.
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