特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント
2) 血液培養
金山 明子
1
,
小林 寅喆
1
Akiko KANAYAMA
1
,
Intetsu KOBAYASHI
1
1東邦大学医学部看護学科感染制御学
キーワード:
血流感染症
,
血液培養
Keyword:
血流感染症
,
血液培養
pp.1454-1459
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102143
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はじめに
血流感染症は死亡率の高い感染症であり,起炎菌,感染巣,患者の背景によっては40%を超すグループも認められる1,2).このため感染早期に行う経験的治療に引き続き,起炎菌決定後は感受性が確認された抗菌薬に絞り込み治療を行わなくてはならない(de-escalation).このようなことから血液培養検査は,微生物検査の中では髄液検査と並び,極めて重要度が高い検査である.一方で血液培養検査は採血から結果の解釈までのすべての工程において起炎菌の検出に影響を及ぼす要素を有しており,本検査にかかわる医療従事者はこれらを理解し検査を施行しなくてはならない.本稿では,微生物検査室で行う血液培養検査の内容を中心に,関連する事項も踏まえながら注意すべき点を述べる.
図に自動血液培養装置を使用した場合の血液培養検査のフローを示した.
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