特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
2.解析技術
コラム
バイオインフォマティクス
西村 基
1
,
野村 文夫
1
1千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学
pp.1353
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101420
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バイオインフォマティクス(bioinformatics)は,文字どおりインフォマティクス(informatics)の一分野で医学・生物学分野におけるそれのことである.インフォマティクスは“information”と“automatic”を融合させた造語(1957年,ドイツのコンピュータ科学者カール・ステインブッシュが論文中でAutomatische Informationsverarbeitungの語を用いたのが語源のようである)と言われ,自動情報処理技術を指す.したがって,インフォマティクスが対象とする分野は医学・生物学に限った話ではなく,化学(ケモインフォマティクス)のような理系分野から言語学・社会学・経済学といった文系分野まで多岐にわたる.また,情報学の発展に伴い,この語にはいろいろな意味と解釈が与えられるようになったが,本稿では割愛する.
近年の一台一台のコンピュータ能力の劇的な向上およびインターネットを代表とするコンピュータ間の情報交換の高速化・洗練化に伴い,分野を問わず情報のデジタル化の流れはとどまるところを知らない.これらはすべてインフォマティクスの扱いうる対象となる.Googleのような検索エンジンで,分野横断的に検索結果を得ることができるのは読者も実感しているところであろう.
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