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あとがき
池田 康夫
pp.1020
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101325
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今回の特集にフローサイトメーターが取り上げられた,巻頭言でも触れられているようにフローサイトメーターの生みの親はスタンフォード大学のLeonard Arthur Herzenberg教授である.
奇しくも2006年の京都賞の先端技術部門の受賞者にHerzenberg教授が選ばれ,来日されて素晴らしい講演を行っている.FACSの開発はbiotechnologyの歴史に残る偉大な業績であり,医学研究,とりわけ細胞生物学の研究の発展における貢献は計り知れないものがあり,京都賞受賞も当然のことといえる.今回のHerzenberg博士の受賞を機に考えたことは,診断・治療に役立つ新しい技術革新を生むためには,研究体制の整備が重要であるということである.以前から言われていたことだが医工連携,産学共同の効率良い仕組み作りが必要である.わが国は優れた基礎研究者を数多く輩出しており,加えて科学技術においても世界をリードする領域が少なからずあることから,医療・医学に貢献する技術開発に向けて産官学が一体となって取り組む仕組み作りの議論を早急に始めるべきであろう.
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