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あとがき
池田 康夫
pp.1210
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102096
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血栓症は診療各科で遭遇する疾患であることから,多くの臨床医,研究者がこれに関与している.わが国には,血栓症の臨床,基礎研究について討議する学会として,日本医学会にも加盟している日本血栓止血学会があるが,その会員数は約1,300人と決して多くはない.その年次学術集会では,血栓形成の分子機構や血小板,血管内皮細胞,凝固,線溶因子などの細胞生物学的研究,生化学・分子生物学的研究などの基礎研究とともに,心筋梗塞,脳梗塞,深部静脈血栓症などの各種血栓症,血友病,血小板機能異常症などの診断・治療法に関する研究成果が報告され,熱い議論が重ねられている.
血栓症学そのものはmultidisciplinaryなアプローチで研究されることから,日本血栓止血学会では,日本循環器学会,日本脳卒中学会,日本動脈硬化学会,日本救急医学会,日本血管細胞生物学会などとのジョイント・シンポジウムが毎年組まれている.臨床的な視点からみると血栓症においては,早期診断,一次,二次発予防が特に重要であることから,臨床検査領域で活躍している医師,臨床検査技師らの参加も少なくない.
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