原著
握りめしによるブドウ球菌食中毒
辺野 喜正夫
1
,
善養寺 浩
1
,
北村 久寿久
1
,
鈴木 昭
2
1東京都立衛生研究所
2国立衛生試験所細菌部
pp.403-405
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202156
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ブドウ球菌による食中毒の原因となる主な食品として,第1に乳製品(クリーム,乳菓子類)があげられるが,わが国においては,食生活が欧米と異るために,魚肉ねり製品(カマボコ,サツマアゲ等),食饀,ウグイスマメ,豆腐,ミツマメ,等もしばしば原因となつている。しかし古くからわが国で携行食品として常用されている握りめしによる食中毒例については,まだ報告されていない。
握りめしは他の原因食品に比べて,菌の増殖には比較的不利な食品といえるが,原因菌の濃厚な汚染や保存の不適切な場合は,中毒を起し得るものであることを経験した。
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