特集 病態から考える薬物療法
第XIV章 細菌感染症
2 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
山本 剛伸
1
Takenobu YAMAMOTO
1
1川崎医科大学総合医療センター,皮膚科
キーワード:
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
,
黄色ブドウ球菌
,
表皮剝脱毒素
,
デスモグレイン1
,
Nikolsky現象
Keyword:
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
,
黄色ブドウ球菌
,
表皮剝脱毒素
,
デスモグレイン1
,
Nikolsky現象
pp.901-905
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003288
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ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(Staphylococcal scalded skin syndrome,以下SSSS)は,眼周囲,外鼻孔周囲,口周囲,臍周囲,咽頭などに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus,以下S. aureus)が感染/定着し,菌が産生する表皮剝脱毒素(exfoliative toxin,以下ET)が血流を介して全身の皮膚に到達し,紅潮や水疱,表皮剝離をきたす疾患である(図1)。5歳未満の乳幼児(特に2~3歳)に好発する1)。成人の腎機能障害や免疫不全合併例に発症することがまれにある。小児に多い理由として,ETに対する抗体が欠損あるいは低値であること,腎機能が未熟であるため,ETの腎におけるクリアランス不良によると考えられている1)。
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