特集 ナノテクノロジーとバイオセンサ
各論
Ⅲ. マイクロチップ分析関連
5. マイクロアレイ診断チップ
野島 博
1
Hiroshi NOJIMA
1
1大阪大学微生物病研究所分子遺伝研究分野
キーワード:
DNAマイクロアレイ
,
DNA診断
,
RNA診断
,
選抜アレイ
Keyword:
DNAマイクロアレイ
,
DNA診断
,
RNA診断
,
選抜アレイ
pp.1577-1586
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100794
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はじめに
ポストゲノム時代という言葉が古臭く聞こえるほど凄まじい勢いでバイオ技術は進展している.「ベンチからベッドサイドへ」という合言葉をもって始まったトランスレーショナル医療(translational medicine)は,ゲノム創薬やゲノム医療の基盤となる臨床検査の分野で現実のものとなりつつある1).その際に使われるツールのひとつにマイクロアレイ診断チップがある.それにもDNAチップ,蛋白質チップ,抗体チップ,糖鎖チップなど様々な種類の診断チップが考案され研究されている.マイクロアレイDNA診断チップについても,その概念はどんどん広がっており,当初のcDNA(あるいはそれに相当するオリゴヌクレオチド)を貼り付けてゲノムレベルでの遺伝子発現解析を行うものだけでなく,全ゲノム領域を貼り付けたゲノムタイリングアレイ,ChIP-Chip法に用いられるプロモーター領域のDNAチップ,さらにmicro RNAを解析するためのDNAチップが開発されており,今後さらにその応用研究は広がって行くものと思われる2).ここでは話を分散させないために,主として本来の「cDNAの発現解析」に話題を絞って解説する.
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