特集 ナノテクノロジーとバイオセンサ
各論
Ⅲ. マイクロチップ分析関連
4. マイクロ・ナノバイオデバイスによるDNA・蛋白質解析
渡慶次 学
1
,
加地 範匡
1
,
馬場 嘉信
1
Manabu TOKESHI
1
,
Noritada KAJI
1
,
Yoshinobu BABA
1
1名古屋大学大学院工学研究科化学・生物工学専攻
キーワード:
マイクロ・ナノバイオデバイス
,
ナノピラー
,
遺伝子診断
Keyword:
マイクロ・ナノバイオデバイス
,
ナノピラー
,
遺伝子診断
pp.1567-1575
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100793
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はじめに
近年,半導体微細加工技術や精密合成技術を利用したマイクロ・ナノバイオデバイスの研究が大きな注目を集めている1).特に,DNAや蛋白質に代表される生体由来の微量物質の解析では,次世代の解析ツールとして大きく期待されている.マイクロ・ナノバイオデバイスを用いることで,従来法では長時間必要であった解析を数秒~10分程度で終えたり,また,従来法では不可能であった実験を可能にした.これまでに様々なマイクロ・ナノバイオデバイスが開発されているが,ここでいうマイクロ・ナノバイオデバイスは,基板上に作製されたマイクロメートルスケールの微細流路(マイクロチャネル)やマイクロチャネル内に構築したナノ構造体を利用して,DNAや蛋白質の解析に必要な分析操作(抽出,精製,増幅,分離,検出など)を集積化した高機能流体デバイスのことであり,DNAチップに代表されるマイクロアレイは含まない.
本稿では,最初にマイクロ・ナノバイオデバイスの概略を紹介し,その後にマイクロ・ナノバイオデバイスの疾患診断への応用と制限酵素切断地図の作成について紹介する.
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