医療経営の総合的「質」の検討・3
河北総合病院における総合的「質」の向上への取り組み
冨田 信也
1
1医療法人財団河北総合病院財団本部事務部
pp.263-265
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903232
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「医療の質」の定義
当院では2000年9月1日にプロジェクトの一つとして,「質の向上委員会」を発足,医師である委員長と組織を横断的に選ばれた委員,事務局スタッフからなるメンバーが選出され,毎月定例的に委員会を開き今日に至っている.事務局は各委員の発言内容の論点整理を議事録で行い,理事長をはじめ経営幹部に回していく.委員会は当院のあらゆる組織活動の「質の向上」に関して今後,影響力ある役割と機能を担って組織の牽引力となるものと考える.
委員会のメンバーは,医療界の外の事業やサービス分野においては商品やサービスの「質」がどのように考えられ,また定義されてきたかを学ぶために関係する参考文献を読み,自分たちの考え方をつくることから始めた.そして,最初に委員会メンバーが一致し共有する出発点とした定義とは,「良い品質とは要求によくかなっていること」1)である.医療は,サービスという人間と人間の関係においてつくられるから,医療を受ける側の要望や要求に対して,医療者側の専門的知識や技術が適切に応えることができた時,質のよい医療を提供できたことになる.
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