医療従事者のための医療倫理学入門
2.文化と医療倫理—真実告知の事例を中心に
浅井 篤
1
,
大西 基喜
1
,
永田 志津子
1
,
新保 卓郎
1
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
pp.156-158
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902927
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〔ケース〕
他の医療機関で進行性肺癌と診断された70代の女性患者が入院した.前医では病名や予後については説明がされておらず,患者本人に進行癌の診 断告知をすべきか否かが病棟カンファレンスで議論になった.1人の医師は「日本では患者本人に対する病名告知は一般的でない.したがって,家族と話し合って治療方針を決めていけばよい」と発言した.一方,米国に留学経験のある別の医師は「日本でもアメリカなみに告知を行うべきだ」と主張した.担当医は患者本人に癌の告知を行うべきだろうか.何を根拠に判断すべきだろうか.
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