連載 院内感染対策・7
東京大学医学部附属病院分院の院内感染対策—3.院内感染対策における検査室の役割
鈴木 悦子
1
,
布施 文男
1
,
山本 健二
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2東京大学医学部附属病院分院検査部
pp.172-177
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902932
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院内感染(hospital acquired infection)とは,「病院における入院患者が原疾患とは別に,新たに罹患した感染症,または医療従事者が病院において罹患した感染症」と定義され1),患者側の感染と医療従事者側の業務感染を含む.
業務感染によって主に注意すべき点は血液を介したウイルス感染で,特にHCV・HBVなどによる感染率は高く,注射針の誤刺が最も多い.また,近年は結核菌による院内集団感染例も報告されている.患者側の感染では細菌感染が問題とされ,現在では多剤耐性菌も増加しており,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や多剤耐性緑膿菌,バンコマイシン耐性腸球菌(VRE),基質特異性拡張型β—ラクタマーゼ(ESBLs)産生菌などの日和見感染菌が問題となっている.
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