特別企画 シリーズ・ISO9000sの医療への導入を検討する・1
ISO9000sとは何か—その概要と医療への導入
福田 敬
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学講座保健経済学分野
pp.626-631
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902451
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医療の質の評価とISO
日本では医療供給体制が充実し,医療の質が問われるようになってきている.必要な人に十分な医療が行き渡ることは重要であるが,それと同時に,そこで提供される医療の質が高いものであることも重要である.様々な医療機関で提供されている医療の質にはばらつきがあるものと考えられる.病院などで提供される医療の質は患者からは評価しにくいところが多く,そのため,諸外国においては医療を専門家が評価する活動が進められてきた.わが国においても,医療機能評価として,提供される医療の質を評価する方法が検討されてきた.従来は,病院における医療提供のあり方について評価基準を設けて,それを自己評価する形で質の保証に努めてきた.しかし,この場合には評価基準に対する判定が曖昧である可能性があるため,近年では,医療の専門家が第三者的に評価する活動が始まっている.東京都私立病院会青年部会によるJCAHO研究会や医療の質に関する研究会などの第三者評価の方法に関する活動実績を踏まえ,平成7年に日本医療機能評価機構が発足し,病院医療の評価と認定活動が開始されている.また医療関連業務については,これに先がけて平成2年に医療関連サービス振興会が設立され,院内清掃や衛生検査所などの委託による業務について評価および認定活動を行っている.
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