保健・医療・福祉政策ウォッチング
O157が投げかける情報公開の課題
病院問題研究会
pp.564-565
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902138
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O157による食中毒の流行が懸念されている.今年も全国各地からの報告が増加している.3月23日には横浜市で6歳の保育園児がO157で死亡し,4月4日には愛知県でカイワレ大根からO157が検出された.
昨年,厚生省は堺市における学童集団下痢症の原因食材は特定の生産施設から特定の日に出荷されたカイワレ大根が最も可能性が高いと公表した.不完全な情報でも,一般国民に公開するという姿勢は薬害エイズ問題を教訓にしたものであるが,厚生省は情報公開の方法に慣れていなかったため,マスコミはすべてのカイワレ大根にO157が付着しているのではないかと思ってしまった.厚生省はどの情報をどの程度公開してよいかわからないため不確定な情報まで公表するようになってしまった.
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