特集 理論家Royと理論分析家Fawcettの対話─看護学の未来へ
[座談会]「看護学とは何か」を考え続ける—2つの講演が投げかけたこと
津波古 澄子
1
,
筒井 真優美
2
,
中島 恵美子
3
1共立女子大学看護学部
2日本赤十字看護大学,国際交流センター
3杏林大学保健学部
pp.666-673
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201454
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津波古 今回のこの講演には,主に4つの背景がありました。まず,Roy先生とFawcett先生という,いわゆる理論家と理論分析家が同時に講演し対話することは,アメリカでもあまり例のない試みであり,そこから何が生まれるかということ。次に,お二人は考え方やライフスタイルが全く異なる中で約40年にわたり,アカデミックな交流を続けてこられました。お互い教育者として,研究者として,そして看護科学者として,どのように切磋琢磨してきたかを知ることは,私たちの学ぶべきモデルになるのではないかということ。そして,これは講演後の質疑応答の中で筒井先生がおっしゃった言葉ですが,「世界のトップが何を考えているかを聞く機会」であること。さらに,Fawcett先生は,名前や業績,考え方などは,主に筒井先生の翻訳を通じて日本で広く浸透していますが,これまで来日されていなかったこともあり,実際の生き方のようなものはあまり知られていなかったと思うので,そのあたりをご紹介したかったこと。主にこの4点です。
本座談会では,本講演を振り返りつつ,お二人のメッセージが日本の看護にどのような示唆や意義を与えたかを探り,これからの展望や課題を考えていきたいと思います。では,以降の進行を中島先生に委ねたいと思います。
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