特集 薬価と病院経営
建値制の現状と問題点—21世紀を見据えた流通改革論議を
水巻 中正
1
1読売新聞社解説部
pp.242-245
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901463
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建値制が業界に与えたインパクト
新しい薬価算定方式として総量加重平均値に一定の価格幅を上乗せする方式が採用されて,早4年目を迎える.上乗せ幅は1992年に15%,94年に13%,96年に11%,98年に10%と段階的に縮小,この後も取引価格の状況をみながら見直すというものだが,医療機関,医薬品卸業界からは制度の是正を求める動きや,製薬メーカーの高仕切価設定への不満が噴出している.
「卸間競争の激化で価格は急落,卸は潰滅的状況にある」「メーカーの一人勝ち.このままでは病院経営が苦しくなって倒産が続出する」.中小メーカー,弱小卸をも巻き込み,各業界,機関の戦いは当分収まりそうもない状況だ.
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