特集 介護保険で何がどう変わったか―現状の問題を見据える
特集5
現状の問題点を見据える―「職種の違い」を超えて
奈良 高志
1,2
1文京区立大塚在宅介護支援センター
2文京区立大塚高齢者在宅サービスセンター
pp.725-728
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902404
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介護支援専門員について再考する
介護保険制度の理念は,自立支援という言葉であった.自立支援とは,身体機能の改善という狭義の意味だけでなく,対象者の生活全体を包括した高次の概念であり,その対象者の自ら望む暮らし方を支援するということまでも含む.言い換えると,ソーシャルワークでいう「自己決定の原則」に基づき,対象者の意思決定をサポートすることを包括した理念と定義してよい.
この自立支援を拒むものを利用者1人ひとりの生活面から課題として丹念に導き出し,その課題の原因となる因子を明らかにし(背景・要因分析),その解決の目標とそれに至る手段(計画)を生活の包括性という視点から利用者ならびに関係機関との協同作業によりつくり上げていくことが介護支援専門員の業務といえよう.
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