病院管理の現場から 医事課窓口から見えるもの
病院事務職員覚え書き
佐藤 俊一
1
Shunichi SATO
1
1東京白十字病院医事課
pp.425
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900643
- 有料閲覧
- 文献概要
いつのまにかスペシャリストに
ある事務管理職の長期研修会のことであった.30名近い参加者(大半が30〜40代の男性)に,「学校を卒業するとき,病院へ就職しようと積極的に意思決定された方は手を挙げてください」と訊いてみた.参加者のうちわずか1名の方が手を挙げただけだった.何回か同じ質問を他の同様の研修会でもしたことがあるが,大体いつも結果は同じであった.
おそらく,こうした動機づけと関係しているのだろうが,多少なりとも問題意識をもって病院事務職を希望して就職してくる人は,その仕事をマスターし,生き残っていくために与えられた業務(例えば医事業務)に精通しようとして努力する.そうした努力の結果として,ある業務に精通し,課の柱となっていく人間を,中小病院の場合そう簡単には人事異動させるわけにはいかない.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.