特集 事務職員の採用とキャリア形成
民間病院における事務系職員の採用とキャリア形成
大峡 雅男
1,2
1財団法人三友堂病院 財団本部 総務部
2財団法人三友堂病院 財団本部 事務部
pp.224-228
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101139
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2006年度,厚生労働省医政局委託研究において,経営の安定化を図っている優良な病院が紹介されている.本研究では,中小病院の悩みの一つとして,経営に関わる事務スタッフの少なさがある,と指摘している1).その論文の中で,中核となる人材の採用と育成について事例が述べられている.事例病院では,経営管理を任せうる人材の採用を常日頃検討しており,地元銀行出身者を事務長として迎え入れ,黒字確保のための計数管理を徹底したことが紹介されている.
日本医師会総合政策研究機構では,1999年よりデータを更新しながら,高齢者介護福祉を含む将来の医療サービスのあり方を研究している.この研究では,将来の医療福祉サービス産業の事務管理に従事する人員を推計しており,2015年には97万人に達するとしている2).事務管理に関わる職員の数は驚くほどであるが,実際の経営に関わる職員はこの中からどの程度出てくるのであろうか.西田は,医療福祉サービス産業の市場規模から,経営管理専門家養成の必要性を報告している3).しかし,先の事例研究で明らかなように,民間医療機関の多くは,スカウト人事などによりキャリアに該当する人材を得ていることが推測される.
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