主張
病院経営と事務職員
Y
pp.679
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900150
- 有料閲覧
- 文献概要
若年労働人口の減少が国民生活に与える影響は,いわゆる3Kと呼ばれるキャッチフレーズによって,一時は大きくクローズアップされたものの,バブルの崩壊,景気の減速とともに社会的な危機感は急速に薄れつつあるようにみえる.しかし典型的な労働集約的産業である医療の分野で,病院経営者は,慢性的な看護婦不足に加えて,全職種に及ぶ人手不足の影に怯えながら,この問題の深刻さを,ある意味では時代を先取りする形で感じ始めている.
特に病院という職場は職員の大半が有資格者によって占められている特殊な職場であり,その中で病院経営者は,無資格者である事務職員の採用には以前から頭を悩ましてきた.まして人手不足の時代となれば,あの手この手の他産業のリクルート攻勢に,どう抗していけばよいのか無力感は深まるばかりである.給与や待遇の問題はさておき,より根本的に見直す必要があるのは,病院事務の業務内容そのものが,若い人たちに魅力のある仕事として映っていないという点ではないかと思える.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.