特集 週休2日制実行のためのポイント
「週休2日制」看護からの発言
看護管理者は不勉強で怠慢か—勤務体制を硬直化させているのは
高橋 美智
1
1東京医科歯科大学医学部附属看護部
pp.150-155
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900293
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「小さな引越」から院全看護」へ
入院が,「小さな引越」と呼ばれるほど大事であった時代はだんだん遠ざかりかすんできた.しかし,さかのぼって数えてみると,いまだ半世紀たらずしか過ぎていない.
だから,思いおこせばいくつかの風景が浮かんでくる.祖父の下腿骨々折治療のための入院に付きそう祖母にくっついて病院住まいをした時のことも,まだはっきりと覚えている.まさに「小さな引越」であった.鍋,釜,七輪.米,みそ,しょうゆ.床敷ござにふとん.ねまきにタオル.茶わんにおはし等々.そして,タスキがけをしてうちわで七輪の火をあおいでいた祖母.夜にはベッドの下にござ,ふとんを敷いてもぐり込む.昭和15,6年,私が7つ,8つの頃の夏休みのことである.その頃,私は看護婦になるなどとは思ってもいなかったし,むろん,家族の身体的,精神的,経済的負担についてなど考える力も,思いやる力ももってはいなかった.ただただ日常と異なる生活がおもしろく,はしゃいてとび廻っていたという記憶が残っている.
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