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診断セミナー
除脳硬直
Decerebrate Rigidity
田崎 義昭
1
,
澤田 徹
1
Yoshiaki TAZAKI
1
,
Tohru SAWADA
1
1北里大学内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University
キーワード:
Decerebrate rigidity
,
Decorticate rigidity
,
Brain herniation
,
Locked-in syndrome
Keyword:
Decerebrate rigidity
,
Decorticate rigidity
,
Brain herniation
,
Locked-in syndrome
pp.317-324
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200602
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除脳硬直decerebrate rigidityは,周知のごとく,動物の中脳上・下丘間以下延髄上部までの間を切断した際生ずる抗重力筋の硬直性収縮に対して,Sherringtonが名づけた言葉である36).この現象の発見はその後の神経生理学とくに筋緊張,伸展反射などの研究に画期的な飛躍を与え,以後この分野では除脳動物が絶好の動物実験モデルとして広く用いられている.一方,Wilson46)やWalshe44,45)らの報告以来,臨床例でも除脳硬直が注目されるようになり,現在ではその筋緊張の異常よりも脳幹障害とくに脳ヘルニアによる中脳障害を示す重要な徴候として重視されている30).しかし,実験的に作られた動物の除脳硬直と臨床例にみられるそれとは質的に異なるとする意見もあり10,11),また,その概念にも多少混乱がみられる29).そこで本稿では,除脳硬直の発現機序と臨床的意義を局所診断学的な立場から検討してみたい.
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