特集 看護業務のスリム化
看護勤務体制の見直し
伊藤 硏
1
Kiwamu ITO
1
1医療法人大雄会
pp.305-311
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900068
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なぜ2交替制の導入を考えたか
時代にそぐわない勤務体制
医療に関しては,昭和23年に発足した医療法がほとんど当時の姿のままであり,医療の現実にそぐわなくなっていることは周知の通りである.昭和36年の国民皆保険に始まった医療需要の増加は昭和48年の老人医療費の無料化を契機に一段と拍車がかかることになり,さらに医療の進歩に伴う急速な医療内容の変化と相まって,現在の医療法では対応できにくい問題が頻発している.
このような医療需要の増加と,来るべき21世紀の高齢化社会に向けて,政府は医療供給体制の改革に取り組みつつあり,その第1弾が昭和60年12月に行われた医療法の改正であったとみることができるだろう.改正の内容は,人口割で先進諸国に比べて過剰な病院病床が問題にされ,医療を量から質へと転換することが必要との立場から,地域医療計画による都道府県ごとの医療圏の設定と医療圏ごとの病院病床の量的規制を骨子としたものであった.そのため一部で駆け込み増床が発生し,この一過性の急激な病床増が看護職員需要増の一因であると言われている.
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