特集 病院給食の新しいカタチ
病院厨房の新しいカタチ
グループ内セントラルキッチンの試み
鍋嶋 和子
1
1医療法人慈風会 厚地脳神経外科病院 栄養科
キーワード:
病院調理師の現状
,
業務の合理化
,
働き方改革
,
凍結含浸食
,
半歩前進
Keyword:
病院調理師の現状
,
業務の合理化
,
働き方改革
,
凍結含浸食
,
半歩前進
pp.711-714
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211744
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■はじめに
私が栄養士になった頃,病院給食は「早い・冷たい・不味い」が代名詞だった.1992年に適時・適温提供への特別管理加算が算定されるようになり,一気に患者視点の病院給食に変わり勤務体制も変化した.それから30年経った現在,病院給食において慢性的な調理スタッフの人材不足に陥っている.確かに少子高齢化が進み生産年齢人口も減少しているが,病院の調理業務は選択肢の一つとして考えにくい職種になっているように思う.
当院でも祝日は行事食が多く多忙を極め,特に年末年始となると一年で最も忙しく勤務者の確保も必要となる.早番勤務は5時からになっていても,朝食の準備と並行し,昼食の準備を行うため,ほとんどの調理師が4時過ぎに出勤している状況だった.また,アレルギーや嗜好,病状に合わせた個別対応の増加や入院患者の食事に対するニーズの高まりもあり,業務は複雑化している.
診療報酬改定の度に加算項目が減少する中で,食事療養費の見直しはなく,消費税の増税,食材費の高騰などで栄養部門の収益は厳しい現状である.このような中,私たち管理栄養士の働き方・給食の運営方法は変わるべき時期にきていると痛感している.
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