連載 「働き方改革」時代の労務管理・11
—労働基準監督署による調査への対応(後編)—労災認定によって生じるリスクと調査への対応の注意点
越本 幸彦
1
,
岡田 祐輝
1
1弁護士法人御堂筋法律事務所
pp.296-301
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210942
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■労災保険給付に関する調査を侮ってはならない
労働基準監督署による調査のうち,①使用者が労働基準法などの労働法令を遵守しているかどうかの立入調査(臨検監督)については,前回解説したとおりである.今回は,②労働者の行った労災保険給付の申請を認めるべきかどうかの判断のための調査について述べる.
上記②の調査は,労災保険給付の支給の可否を判断するための調査であり,労働基準監督署による直接的な指導や処分などのための調査ではなく,仮に,労働者災害(以下,労災)として認定されたとしても,それ自体で直接使用者に何らかの支払義務などが発生するものではないこともあり,一般に,労働基準監督署による調査といえば臨検監督が連想されることが多い.
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