連載 「働き方改革」時代の労務管理・10
—労働基準監督署による調査への対応(前編)—立入調査への正しい理解と心構え
越本 幸彦
1
,
岡田 祐輝
1
1弁護士法人御堂筋法律事務所
pp.220-223
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210922
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■立入調査は突然やってくる
誰もが知る超有名病院への労働基準監督署の立入調査や,割増賃金の未払解消を含む是正勧告による巨額の支払が行われたことは,読者の皆様の記憶にも新しいところと思われる.いかに応召義務の制約や地域医療の担い手といった使命を負う医療機関でも聖域ではなく,医療機関への労働基準監督署の立入調査は実施され,特に活況の様相を呈している昨今注1,病院経営者としては決して対岸の火事ではない.立入調査は,あなたの病院にも突然やってくるのである.
「労働基準監督署による立入調査が始まる」と聞いただけで,不安に駆られて,途方に暮れる病院経営者も多いかもしれない.しかし,ここで理解していただきたいのは,立入調査への対応を冷静に理解していれば,過度に恐れる必要はなく,他方で,労働基準監督署の調査に対する不用意な対応は,取り返しのつかない事態を招く可能性があることである.そのため,労働基準監督署の立入調査については,正しい理解に基づき,適切な対応を心がけることが重要となってくる.
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