Special feature 正しい選択と手順による 病院清掃のための『拭き消毒』
■Sampling
拭き取り調査と正しい『拭き取り』
-―どこを対象に,どの検査を実施し,どう活用するか
佐藤 智明
1
1東京大学医学部附属病院 検査部 技師長
pp.24-29
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000095
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はじめに
病院感染防止対策の基本は,早期発見,拡散防止,環境整備の3つの柱からなる。早期発見により感染対策を必要とする病原微生物をできるだけ早く検出し,その拡散を最小限に止めるよう拡散防止の対策を講じる。一方,環境整備は清掃などにより環境を清潔に保ち,感染症の発生や病原微生物の拡散を未然に防ぐことが目的である。環境整備の基本は清掃であり,中でも拭き消毒は感染防止目的のために日常的に行われている。しかし,拭き消毒の実施頻度や方法は施設によって異なっているのが現状である。また,拭き消毒が適切に行われているかを確認するために拭き取り検査(環境検査)が行われるが,これについても施設ごとに方法,判定基準が異なっている。本稿では,拭き消毒について感染防止対策の観点から環境検査を中心に述べる。
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