特集 医療費抑制下における給与費対策
職能給導入による新賃金体系の展開と問題点
長澤 一男
1
Kazuo NAGASAWA
1
1信愛病院
pp.214-219
発行日 1984年3月1日
Published Date 1984/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208254
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病院経営の円滑な運営は,健全な労使関係の維持にある.健全な労使関係を保つためには,賃金,労働条件を安定させ,同時にこれらを合理的,体系的に整備していることが肝要である.今日の病院経営をめぐる厳しい環境下で,医療の質的向上と,病院経営の基盤強化を図るには,職員一人一人の能力アップが重要な力となる.このことは,職員の職務遂行能力を発見し,能力を有効に活用することにより,労働効率を高めることが可能になるからである.すなわち,従来の年功,学歴偏重の労務管理から,適性と能力中心の労務管理への移行を進めてゆくのである.
全国労務管理学会は,労務問題委員会を設置し,病院経営の効率的運営と健全化に向けて,労務管理諸政策の研究と研修を進めてきた.特に,賃金,能力開発,人事考課等,賃金,人事にかかわる諸問題を重点に研究を行った.その結果,「職能給導入による病院モデル新賃金体系の研究」を中間報告として,第19回全国病院労務管理学会において発表した.筆者は,賃金部会の代表幹事として,まとめ役を引き受けた関係上,報告者の一人となった.その時に発表した内容を要約して述べてみる.
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