講座 賃金用語の概念規定・4
職能給・能率給
菅谷 章
1
1病院管理研究所
pp.93-98
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204084
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職能給
1.職能給とは
職務給1)とは,‘同一労働力同一賃金’の原則に立って,‘職務分析’と‘職務評価’によって,職務の相対的価値序列を決定し,その評価と賃金とを結びつける賃金形態であるが,これに対して‘職能給とは,必ずしも職務分析を必要とせず,職能分類により,その分類に属する労働者が発揮し,もしくは発揮するであろうところの職務遂行能力’2)を基準として決定される賃金形態である.
換言すれば職能給とは職務分析や職務評価のかわりに,‘職能分類法’という管理技法を用いた人の能力を中心とした賃率の体系である.その基本的な考え方は,職務そのものではなく,従業員がもっている職務遂行能力の種類と程度をいくつかの等級に分類し(これを職能分類と呼んでいる),これを基礎に従業員の能力評価を行ない,従業員をそれぞれの等級にあてはめ,これを賃率と結びつけていく方法をとる.したがって職能給の設定にあたっては,①昇給制度の組み方,②職能等級のきめ方,③昇給のための人事考課,が重要なポイントとなる.
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