特集 「医療法改正」の焦点
行政の監督権と病院の自由・自律
大道 学
1,2
Manabu OHMICHI
1,2
1医療法人大道会
2日本病院会
pp.30-33
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208212
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戦後,新憲法のもとに国家理念が大きく変化し国民の「健康で文化的な最低限の生活」(憲法第25条)の維持が国家,公共団体の行政の目標となるのに伴い,現代の行政内容は社会秩序の維持のみならず,国民の福祉,生存権(憲法第25条)のための広範多岐にわたる分野に拡大した.
それは見方を変えれば,国民経済の生産,分配にわたって国(行政)の関与(介入)と調整が行われていることを意味し,同時に権力の介入領域拡大を必然的に伴うものと考える.医療分野とてその例外ではないい.とはいえ,昨今の医療行政の姿勢は,戦前戦中に見られた権力行政的性格が強く感じられてならない.
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