特集 職員訓練
職員訓練—5つの課題
病院における管理監督者訓練計画
津田 豊和
1
1厚生省病院管理研究所
pp.29-33
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202096
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I.わが国における管理監督者訓練の推移
終戦直後の日本の産業は経営そのものでなく労働組合の攻勢に対処するために根本的に経営の在り方を再検討するとともに各経営管理監督者層に対する再教育の必要と,経営の筋を通す必要とを痛感した。その当時日本に進駐していたアメリカでは既に19世紀末に芽生えていた第一線監督者訓練の組織化が第一次および第二次大戦を契機として大いに発達し,第一線監督者訓練用としてT.W.I.(Training Within Industory for Superrisor),中間層管理者訓練用としてM.T.P.(Management Training Program),経営者用としてC.C.S.(Civil Communication Section),さらにM.T.P.の高度のものとしてW.S.P.(Work Simplification Program)が編成された。
これらをわが国の企業体は昭和25年頃からそのままの形で取り入れて経営の改善にあたった。そして管理監督者を教育訓練することによって,①企業意識をもたせる。②仕事の仕方を教える。③人の扱い方を習熟させる。④監督者意識を強めることにより企業の合理性,科学性を確立していった。しかしこのようなことが急速かつ無批判に導入されたために必ずしも日本の国情にそぐわなかった点もあり,アメリカ式管理方式はとるにたりないと云う批判となってあらわれた。
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