特集 病院の汚染防止
特殊施設の汚染防止
厨房
城井 美子
1
1北里大学附属病院栄養科
pp.387-390
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206532
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近年医学の進歩と共に病院給食の使命は,従来のただ食事を提供することから治療の一環として患者個々の至適栄養を考慮した食事の作成に変わってきた.その食事を作成する厨房内においては,調乳・離乳・腎移植後・ICUなどに対する感染防止を目的とする滅菌テクニックに準ずる厳密な衛生管理の必要な食事をはじめ,その他メニュー外の特殊オーダー(当院の場合は,全食数3,000食中87%に及ぶ)にいたるまで,衛生的かつ安全な食事として供することが要求される.とくに院内感染面においては,昭和48年5月から,当院院内感染予防委員会を発足させ感染症患者に関する取り扱い上のマニュアルを小冊子にまとめ,その中には食器に関することも含め,職員教育の具体的な訓練方針を示している.なお,その他,消毒液・給水湯,落下細菌など厨房における衛生上の諸問題もこの委員会で決定し実施している.本稿では,これらを含め厨房における衛生管理上実施している内容を具体的に述べる.実施要領は,大別して,身体の清潔,機器具施設の清掃・点検および食品の取扱いなど13の項目別に栄養科としてのマニュアルを作成し職員教育の教本としている.
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