特集 病院フードサービスの施設と設備
病院厨房計画の実際
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養部
pp.32-34
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203063
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厨房を計画するについての問題点
1.第一にその病院の管理者の考え方に左右されると思われる。診療部門の手術室,外来設備,放射線,検査部の設備,病室,ナースステーションなどは非常に合理的に,衛生的にと考慮を払って,予算もよく組み込むが,サービス部門,ことに厨房に関しては「食べさせればよいのだ」と簡単に考える人のほうが多く,予算が不足になって来ると,そのしわよせを厨房に持ってくることは否めない事実のように思う。最も多い例は高層建築の場合は欠かすことのできないエレベーターであるはずなのに,ダムウェーターにして2台3台とし外観は多いと感じさせていることが多い。1台でよいから,人が乗って昇降できるエレベーターでなければ,業務能率上非常に困った事柄であるのに気づかない。
次に,厨房の位置を全体の立場で考慮しないため,温食給与にほど遠い場所になっていたり,厨房の流れ作業がスムーズにいかなかったり,病室を主とし,ナースステーションに主をおくため,スペースがよくとれなかったという例もある。しかし一度設備すれば長い間とりかえることはないのであるから大いに考えをねり,予算を十分にして衛生的で,能率のよい,管理のよくできる厨房にすることは,人件費も少なくて済むことに気がつかないのではないか,と苦言をのべたいところである。
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