特集 「社会の声」を聞く
「社会の声」と医療人の提言
救急医療対策への提言
新村 明
1
1長野県厚生連篠ノ井病院
pp.30-31
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206086
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従来救急医療と言うと,交通事故を筆頭に,外科的処置を要する患者が大半をしめていたが,近年急病関係が激増し,このため救急指定病院においても,従来までの外科を中心とした医師の編成では対応できなくなり,体制の転換を迫られてきているのが実状である.
休日,夜間に問題が多く発生しているのは,われわれ医療担当者としても誠に残念なことであり,休日,夜間の救急体制を早急に確立しなくてはならないが,救急医療体系そのものが全くできていないということから始まって,未解決のことが余りにも多すぎるのである.しかし一方,時間外の救急患者として訪れる約半数は,救急とはいえないものであるというデータも出ており,さらにわれわれの病院の統計では,本当の意味での救急患者は約30%にしか過ぎず,この点にも大いに問題がある.これは国民全体の問題として,真剣に考えなくてはならない.
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