ホスピタル・トピックス 給食
病院給食のトピックス
松本 敦子
1
1慶大病院食養課
pp.33
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205843
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成人病を予防するにあたっては,食事が大きな役割をしめることが多い.従来は主に病気になってからの,治療としての食事療法が中心であったが,成人病においては,病気にならぬように,日頃から予防することが,最も大切と考えられる.
最近は老年者の延命とともに,慢性疾患の患者が多くなってきている.退院した患者が入院中と同じように,食事療法を行いながら社会復帰して行くことが多い.そして外来を訪れる患者の検査で,好ましくない結果が多いのが実状である.これらの患者は,病気に対する自覚や意志の強さを必要とするが,それ以上にたいせつなことは,指導する栄養士が,患者側にたっての相談がなされることではなかろうか.これまでの経験を通じて感ずることは,①老年者における理解力の低下,②女性の場合,数値にとらわれやすいのに,その理解力が弱い.③栄養士が自分のペースで正確な数値を求めようとする傾向が強い.④食事指導のパンフレット,リーフレットなど,患者側の実際面にたったものが少ないなどがある.従来はとかく患者側にたつことが,少なかったように考えられる.
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